笑顔の先には笑顔が広がる
(以下桐生のぼる著書「なぜ、下級生は廊下を直角に歩くのか?」より)
女性が演じる「男役」と、女性が演じる「娘役」。
格好良い「男役」を究極まで格好良くする。
それは「娘役」の心意気次第。
そうして、「ステキ!」とうっとりするようなカップルが誕生するのです。

(写真は桐生のぼるのブロマイドより)
本当の恋人のように男役に尽くす
宝塚における娘役は、娘役自身の美しさや存在感に加えて、世界中どこにもいない
ステキな男役を、さらに格好良く、頼りがいのある男役にとグレードアップするとい
う重要な役目を持っています。
娘役が相手役に寄り添う美しさと可憐さで、その相手の男役はますます輝くのです。
娘役は稽古場ではレオタードの上から稽古スカートをはいて練習しますが、その丈は
三種類ほど作ります。膝丈、ミディ丈、裾まであるロング丈。それぞれがほとんど全
円です。全円だと踊るとふわーと広がってとても綺麗に見えるからです。
その時々の作品に合わせてスペインものなど、情熱的な場面には黒とか赤、紫など、
ファンタジックな場面には白、ピンク、淡いブルーなどを準備します。
相手役が決まっているときは、相手の男役の稽古着に合わせて雰囲気の良い色合い
になるようにという気も利かせます。
髪型にも気を遣います。
男役と組んで踊るときにクルクルッと回してもらったり、リフト(男役が娘役を持
ち上げたり腰にのせて回したりすること)がある場合、娘役の髪の毛が男役の顔に当
たらないような髪型にしなくてはいけません。持ち上げるときや娘役の背中をフォロー
して倒したりするときに、長い髪の毛を挟んでしまうようなことのないように、また、
髪飾りやイヤリングなども、男役の手に当たって傷をつけたりしないように気を配っ
ています。
講演では宝塚エピソードから職場や日常に活かせるお話が好評です。
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PETIPAの講演は企業様から学校・幼稚園・保育園、そして地域の催しなど、色々な方々からご依頼をいただいています。
そして何と言っても聴講者参加型でとても楽しいと好評をいただいております。
写真からも楽しさがお分かりいただけると思います。

 :
お問い合わせの中でよくお聞きになられることの一つに「講演の規模」についてがあります。
PETIPAは20名くらいの少人数の講演やセミナー・研修から2000名規模の大きな講演まで対応しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。


東京方面のご依頼の方に向けてのお得情報
5月31日(金)〜6月4日(火)・・・(6/2日曜を除く)
8月8日(木) 9日(金)
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普段であれば神戸からの交通費をいただいておりますが、上記日程のあたりでは、PETIPA自社開催の研修会を東京方面で行っております。
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(以下桐生のぼる著書「なぜ、下級生は廊下を直角に歩くのか?」より)
みなさんが宝塚の舞台を真似するとき、必ず登場するのがフィナーレで手に持って
いるブーケのような小道具です。
これに正式名称は無く、私たちは「シャンシャン」と呼んでいました。
いろいろなデザインがあり、板の上に飾りを貼り付けてあるものや花束のような形
のもの、燭台に似たものなどデザインはさまざまです。

(写真はPETIPA制作の「お花のブーケ型シャンシャン」です。)
ただ出演者にしてみれば、なるべく軽い方がありがたいというのが本音でした。
というのも、客席から見て全員が並んだとき、手に持っている「シャンシャン」が
豪華であれば舞台全体がとても華やかになるので、公演ごとにデザインに力が入り、
時にはかなり大きくなったり重くなったりするからです。
特にフィナーレで、全員が舞台上に出そろって、いよいよトップスターが大階段の
真ん中に登場する場面で、手に持っている「シャンシャン」をトップスターに向けて
大きく差し出しお迎えをするときが大変なのです。「シャンシャン」を持っている方の
手を頭の高さくらいに上げて、トップスターが歌い、ゆっくり階段を下りるまでの間、
ずっと掲げているのですから。
特に『ベルばら』のときの「シャンシャン」は花のブーケの中に燭台があり、その
ろうそくの先が豆電球になっていて明るくともるデザインでした。手で持っている軸
の部分に単一電池が二個入っていたのです。その重みもプラスされかなりの重さでし
た。
出演者はニコニコと平気な顔をしていますが、舞台にはなかなか地味に大変なこと
もあるのです。
「宝塚あるある」のエピソードを元に楽しい講演をいたします。
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(以下桐生のぼる著書「なぜ、下級生は廊下を直角に歩くのか?」より)
フィナーレにトップスターが大階段に現れたとき、衣装の背中についている大き
な羽根。
あの豪華な羽根は今やトップスターの象徴になっていますが、そもそもは娘役の
ものだったのです。
羽根はどのように衣装についているの
今やトップスターの代名詞のようにいわれる大きな羽根ですが、もともとは娘役が
フィナーレでドレスなどにつけていました。
一九六〇年、芸術祭賞を受賞した『華麗なる千拍子』の中で、当時圧倒的な人気を
誇ったトップスター寿美花代さんが、網タイツにだるま(水着やレオタードに近いデ
ザインの衣装)姿で背中に羽根をつけて出た場面はとても有名になりました。
やがて大きな羽根は、いつのころからか男役のトップスターのものになっていきま
した。
さて、大きな羽根は衣装についているように見えますが、実はランドセルのように
背負っているのです。衣装の上から手を通して羽根だけ一番最後に背負います。
客席からは衣装についているかのように見えるようにと、生地や飾りなどに工夫を
懲らしているというわけです。
ファン、そして同じ舞台に出ている生徒たちすべての憧れでもある羽根は、以前よ
りもどんどんと大きくなって、今では重さが二十キロ近くあると聞きます。
その状態でにこやかに歌いながら、足もとを向くこともなく大階段を下りて銀橋ま
で出てくるのですから、トップスターは本当に体力も必要なんです。
キラキラを断った安奈淳さん
『ベルばら』第一期黄金時代のトップスターは、それぞれに個性的でした。
衣装にまつわる面白いエピソードも残っています。
トップスターには公演中は必ず専属の衣装部さんが一人つきます。衣装部さんもそ
のスターが舞台でステキに輝いてもらうために、まさに「命をかけている」ので羽根
もアクセサリーもちょっとでも豪華にといろいろ工夫します。
トップスターに限っては、衣装部さんが衣装にもともとついている飾りだけでは物
足りないと判断すると、その上からスパンコールやブローチをつけ足したりもするの
です。
その衣装部さんがあるとき、少し悲しそうな声でつぶやいていました。
「どのスターも『豪華にして。キラキラつけて』っていってくれるのに、オトミさん
(安奈淳さん)だけは、『これいらない、あれも取ってしまって』というの」と。
これはとても安奈さんらしいエピソードです。安奈さんはシンプルなデザインが好
きだったからなのです。
豪華につけるのも個性。
逆に引き算をしてシンプルにしていくのも個性。
この話を聞いて、より豪華にという傾向の中で自分の個性を貫く姿勢に心から尊敬
したものです。
でも安奈さんの専属の衣装部さんにしてみれば、豪華にキラキラとつけてあげたかっ
たのでしょうね。
元気が出る宝塚エピソード一覧はこちらです
https://petipa.jp/category/%E5%85%83%E6%B0%97%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%82%8B%E5%AE%9D%E5%A1%9A%E3%82%A8%E3%83%94%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%89/
次回はフィナーレで全員が手に持っているブーケのような持ち物のお話です。お楽しみに。
1月23日 ホテルクラウンパレス小倉にて 北九州情報サービス産業振興協会様 賀詞交歓会の講演をさせていただきました。
桐生の著書「なぜ、下級生は廊下を直角に歩くのか?」から「宝塚あるある」に学ぶ組織論を、楽しく興味深くお話いたしました。

経営層の方もとても多く、みなさん本当に熱心に聴講してくださいました。
PETIPAの講演は聴講者参加型です。クイズ形式の楽しい講演はあっという間に時間も過ぎてしまい、終了してからも質問もたくさんいただき、和気あいあいの交流会にも参加させていただきました。
そのほかビジネスマンにとっても「外見力」もとても大切な要素です。
宝塚で培った「立ち姿の美しさ」をビジネスの場でも役立てていただきたいので実際にその場に立って実践です!
ちょっとしたチェックとコツで、みなさんの姿勢は素晴らしく美しくなり、自信に満ち溢れ信頼度がアップする姿勢に!!
外見力が必要なのは女性だけではありません。
仕事場では「信頼度」がとても重要です。
そして美しい姿勢を身につけると、健康にもよく、姿勢がよくなると気分も明るくなる・・・一石二鳥以上です!!
舞台の経験を生かした楽しい講演で、みなさんが「笑顔」になってくださることこそPETIPAの目指しているところです!!
お世話してくださった方々と最後にパチリ!!
ありがとうございました!

全国どこにでも出張講演いたします
https://petipa.jp/seminar/
1月19日20日 自社劇場プチテアトルPETIPA新春公演は大盛況でした。
1部は谷口真実子の著書「心が動く物語」から大人が読むおとぎ話の「ティアラと花冠」、感動の涙で溢れる一人芝居「指定席」の2作品を上演いたしました。

(一人芝居「指定席」より リハーサルの写真です)
2部は抱腹絶倒「酒・羅・場」・・・劇団プチパの大スター元町大丸はたった1滴の酒で酔っ払ってしまうという大変な人。舞台前に酔っ払ってしまい、それでもステージを遂行しなくてはいけなくなり・・・相手役や周りの人たちがその暴走をなんとかしようと必死になりながら舞台は進んで・・・という大爆笑のお芝居。
本当にコンパクトな劇場ではあっても至近距離で演技する迫力は圧巻です。お客様は泣いて、笑って、ほっこりして、大満足!笑顔で楽しまれました!
次回は3月16日17日の公演が決定しています。
こちらは一転してシリアスでミステリアスな作品が登場します。
情報アップをお楽しみに!!
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今自社劇場プチテアトルPETIPAの演出を手がけている私ですが、教えていただいた様々なことが本当に役立っています。
特に女性が演じる「男役」ですから本当の男性に教えていただいたことはとてもありがたいことでした。
(以下桐生のぼる著書「なぜ、下級生は廊下を直角に歩くのか?」より)
男はズドンと立っていろ!!

(写真は桐生の個人的なアルバムから「ベルサイユのばら」オスカルです。)
これは今でも鮮明に覚えているエピソードです。
当時トップスターだった鳳蘭さんを筆頭に、男役ばかりのダンスの場面の稽古をし
ていました。格好良い見せ場です。私はまだまだ下級生で男役ばかりのこんなステキ
な場面に早く出たい! と思っていましたので、目を皿のようにしてどんな場面も見
逃すまいと見ていました。
すると途中で突然、男性の振付の先生が大声で注意をしたのです。
「そんなにゴソゴソ動くな! 男はズドンと立っているだけでいい! こちょこちょ動くから男に見えないんだ!」
衝撃的でした。少しでも格好良く見せるための工夫、つまり目線をどう移すか、振
り向くときに手をどこにおけばいいか、などの細かい動きの工夫はしていても「何に
もしない」ということ、そぎ落とすことこそが男性に見えるのです。
考え方が180度変わった出来事でした。
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(桐生のぼる著書「なぜ、下級生は廊下を直角に歩くのか?」より) 宝塚の男役には本 … 続きを読む →
男役たるもの、絶対に座らない!
(桐生のぼる著書「なぜ、下級生は廊下を直角に歩くのか?」より)
男役の命でもある「パンツのライン」。男役なら全員気を使います。
男役の正装である燕尾服のパンツには、側章といって縫い目に添って細い布がつ
いています。
この側章が床から垂直に、ウエストに向かってまっすぐであることが、「パンツ姿
が美しい」基本なのです。
そのためには、自分のサイズにあったパンツであることはもちろんのこと、シワ
一つ無いことが男役の美学なのです。
クタクタでも、休むときは壁にもたれて!
パンツにシワをつけないようにするためにはどうするのでしょうか。
そうです。座らないことです。
男役は、ひとたびパンツをはいたら絶対に座りません! 座らないといったら絶対
に座りません。
今でも覚えていますが、私が星組に配属になった研二(入団二年目)のことです。
初日を二日後に控えて朝からショーの舞台稽古をしていました。朝十時から夜の十時
まで本番に近い形での稽古です。朝からお化粧もして衣装も着て舞台でスタンバイ。
ですから、生徒は八時半くらいには楽屋に入って用意をしていますので、出ずっぱり
のスターやダンス場面に多く出ている人となると夜十時までほぼ休みがありません。
休憩はお昼と夜にそれぞれ三十分程はありますが、衣装点検や早替わり室でいろい
ろな用意をしていると無いようなものです。休む間も無く次から次へとやることがあ
り、体力的にも大変なのですが、上級生の男役のみなさんは、衣装を着たら出番待ち
が一時間であろうと二時間であろうと、どんなに疲れていても椅子には絶対に座らな
いのです! 夕方にもなればクタクタになるはずですが、みんな壁に寄りかかったり、
ソファの高い方の背に斜めにもたれて休むのです。
なぜでしょう。
パンツのラインが命!
パンツのラインを美しく保つためです。自分の股関節のあたりに絶対にシワを作ら
ないためです!
そのために椅子に座ること無く、それでも何とかして一番楽な状態を保っているの
でした。
男役の全員がかなりくたびれながらも、いろいろなところに斜めに寄りかかってい
る姿を見て、舞台を踏んで間もなかった私は、男役とはそれくらいパンツのラインの
美しさにこだわらなければならないのだと心にずしりと響いた出来事でした。
これは、トップスターでも新人でも同じなのです。
それ以来、私も上級生を見習ってずっとそうしてきましたし、いまだに舞台衣装を
着て座ることはありません。
「美しくあること」には見えない苦労が隠れているものなのです。
全国どのにでも出張講演いたします。
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宝塚時代の経験を活かして
講演活動に力を入れている私ですが、講演の時聴講者の方が特に興味を持たれて喜ばれるのが
「宝塚あるある・・・からヒントを得て生活に活かすこと。」です。
よくどんなことを話していただけるのですか?と聞かれることも多く・・・とても一言では言い切れませんので、私の著書「なぜ、下級生は廊下を直角に歩くのか?」から1エピソードずつご紹介していこうと思います。
これはビジネス書として、女性の方は勿論、職場やお付き合いの中での女性への対応などで困られている男性の方にはとても好評です。
楽しい講演内容をお探しの方や何気なくこのホームページに立ち寄られた方も、ちょっと一息読んでいただけたら、と思います。
でははじめて参りましょう!
「タカラヅ100年の「あるある」に学ぶ組織論
「なぜ、下級生は廊下を直角に歩くのか?」より
はじめに
こんにちは。元宝塚歌劇団星組の桐生のぼるです。
宝塚歌劇団は、大正三年(一九一四年)に宝塚少女歌劇の第一回公演が開始されて
から、平成二六年(二〇一四年)で一〇〇周年を迎えます。
私が在籍した一九七一年~八三年の十二年間は、宝塚歌劇団史上最大のヒット作『ベ
ルサイユのばら』(一九七四年初演)が誕生し、鳳蘭、安奈淳、榛名由梨というトップ
スターが光輝く、まさに黄金期といわれる時代でした。
その中にあって、私も代役公演『ベルサイユのばら』のオスカル役で「特別賞」を
受けた後、娘役に転向。関西テレビ『ラブパック』の準主役・夜叉姫を演じるなどし
て、『オルフェウスの窓』のアルラウネ役を最後に退団しました。宝塚黄金期とともに
駆け抜けることができた幸運を感じています。
現在私は、(株)PETIPAの代表として、研修・講演活動などで経営者のみなさ
んや幼稚園・保育園の園長先生にお話をする機会が多いのですが、私が宝塚歌劇団出
身ということもあり、必ず聞かれる質問があります。
「本当に下級生は廊下を直角に歩くのですか?」
「トップスターでも舞台以外は年功序列って本当ですか?」
いわゆる歌劇団特有のエピソードです。
私は正直にお答えします。
「本当ですよ」
すると多くの人が「え、まさか」と驚きます。
虚構だと思っている人も多いようですが、テレビ番組や雑誌などでおもしろおかし
く誇張されてはいるものの、伝えられているエピソードは事実であることが多いんで
す。
「しかし」
と、さらに話を続けます。
すると、相手も身を乗り出してきますね。
そこで、こうお伝えします。
「もちろん、理由があるんですよ」
宝塚は女性だけの劇団として多くの人に夢を与え続けて一〇〇年。
歌劇団のエピソードは、宝塚のブランドを支えてきた数々の理由の一つであること
は間違いないと信じています。
「宝塚はなぜ○○○○なのか」
「その理由は、△△△△だからです」
これらの理由には、組織の維持やブランド力向上に悩む多くのみなさんにとって、
役立つヒントがいっぱい詰まっています。
男役はなぜ、あれほど格好良いのか
世界でただ一つ、女性ばかりの劇団、宝塚歌劇団。
そこには「男役」が存在し、「男役」に寄り添う美しい「娘役」がいます。
この「男役」と「娘役」という存在が宝塚の魅力でもあります。
なぜ、男役はあれほど格好が良いのでしょうか。
それを演じるには、並々ならぬ努力があったのです。

(この写真は私の個人的なアルバムから・・・「ベルサイユのばら」のオスカルです。)
女性が演じる理想の男性。それこそ「男役」
宝塚ファンの中には、男役を「理想の男性以上の存在」と感じているという人も多
いですね。
私は小学校五年生で宝塚の舞台を見た瞬間に心を奪われ、中学卒業と同時に宝塚音
楽学校に入学したものですから、当時は「理想の男性」とまでは行き着きませんでし
たが、ファンのときも、入団してからも、とにかく「男役は格好良い!」の一言でし
た。
私は約十二年間の劇団生活の中で八年目から男役から娘役に転向し、ぜいたくにも
男役と娘役の両方を経験しました。この経験から「男役」「娘役」についてお伝えしま
しょう。
女性が男性を演じるのですから、そこには相当な努力が必要になってきます。
もちろん憧れて入団したのですから努力することは当たり前のことで、むしろ楽し
く自分の夢に向って一歩ずつ近づいていくのです。
生活のすべてを「男役」「娘役」に捧げる
劇団では「男役十年」といわれます。「桃栗三年柿八年」ではないですが、宝塚の男
役を演じられるようになるにはそれくらいかかるということです。
初舞台を踏み、一年が過ぎると各組に配属され、ようやく役らしい役がつきはじめ
ますが、作品によっては下級生は男役にも娘役にもなることがあります。新人公演で
一言のセリフをもらったりしながら、少しずつ役付きになっていきますが、「普段は普
通の女の子のような生活をしながら稽古場に入るとすぐに男役になれる」、そんな器用
なことができるわけがありません。日常の生活から男役はパンツスタイル、娘役はス
カートやワンピーススタイルと、それぞれのムードをきちんと保った服装や持ち物で
生活をします。
稽古着も同じです。稽古場から男役は「格好良い!」、娘役は「綺麗! かわいい!」
といわれるような服装を心掛けています。
ですから、ほとんどの男役が私服でもスカートを持っていないのです。
娘役に転向したてのころの私は、スカートを一着も持っていなくて困りました。普
段着も稽古着もすっかり娘役仕様に変更するのはすごく大変だったことを思い出しま
す。
タイトスカートをはいて一歩踏みだしたとたん「バリッ!」とスカートが破れたこ
とがありました。一歩が大き過ぎたのですね。普段から男役の歩き方をしていました
ので……。自分でも苦笑いでした。
*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*—*
初回は長かったのにここまで読んでくださってありがとうございます。
これからも1エピソードずつアップしていきますのでまた読んでくださいね!!
講演や研修のことなどどうぞお気軽にお尋ねください!
https://petipa.jp/seminar/